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木地屋あいざわ。 四十沢木材工芸

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赤いお椀、黒いお椀。

むかーし、むかし、能登の輪島に正直者のお父さんがおりました。

ある日、お父さんはカワイイ娘たちのためにお碗を買いました。
でも、帰り道それをうっかり海に落としてしまったのです。

ザップ~~ン。
ザップ~~ン。

海に大きな波がたち、海の神様「日本海さま」が現れました。

「おい、そこの輪島市民。
おまえの落としたのは、この赤い漆碗か?
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それともこちらの黒い漆碗か?」
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正直者のお父さんは答えます。
「いえいえ日本海さま、わたしが落としたのは100均で買ったプラスチックのお碗でございます。」

「ヌ、ヌ、ヌ、ヌ~~ッ!!」
見る見る日本海さまのお顔は赤くなり、毛は逆立ち、目には炎がメラメラ。

「なんだと~!
おまえ、輪島の者なら漆の碗でごはんを食べんでどうする~!」

「そ、そうは言われましても、輪島塗のお碗は値段が高くて・・とてもとても私なんぞには・・。」

「なんじゃと。」
パチパチパチパチ・・・突然そろばんをはじき出す日本海さま。

「よーく考えろ。1万の碗を買っても毎日使えば一日約27円、10年だと2.7円じゃ。
しかも、ちゃーんとした塗りものなら修理もきくし一生モン。
第一、漆の碗でごはんを食べると旨いんじゃーー!」

意外と計算好きの日本海さま。

正直者でその上、素直なお父さんは「なるほどぉ。」と感心しました。

「・・まあ、良い。今回はおまえのその正直な心に免じて、この2つの碗をあげるとしよう。そのかわり、大事に使うんじゃぞ。」

「あ、ありがとうございます!」
日本海さまは、顔は怖いけどいい人・・じゃない、いい神様だなあとお父さんは思いました。



そうしてお父さんは、家に帰り、赤いお椀を上の娘に、黒いお椀を下の娘にあげ、それからずーーーっと大切に使いましたとさ。
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めでたし、めでたし・・。


出演: 
   正直父さん
   日本海さま
   朱塗り子供碗・黒塗り子供碗 
     高田晴之作 (もう使用7年目?黒い碗は1回修理しました)
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by aizawamokkoh | 2010-01-26 08:50 | 漆のひと、漆のもの | Comments(2)
Commented by およね at 2010-01-26 16:23 x
あぁ~日本海さまに怒られる~。
息子だけでも、輪島塗のお椀を使わせてあげないと~。
輪島市民として恥ずかしいです・・。
Commented by aizawamokkoh at 2010-01-27 08:42
かも浦海岸辺りで、今使ってるお碗を投げ入れてみたら、イイ事あるかも?!
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